あのシティから Single

めざましが鳴る
夢をほどく
フトンのくにを
ぬけだして

スプーンの音で
あさがひらく
やわらかな光が
ゆれている

まどのそとで
雲がのびて
高台のまちが
息をしてる

まだねむいんだよ
夜明けのそら
いつものかおり
かんじながら

あのシティから
風がふいて
きょうも静かに
息をしてる

公園のベンチ
まだつめたい
ハトたちの声
とおくひびく

陸橋の並木を
ぬけていく
坂のうえで
ひといきつく

たいようが少し
顔を出して
屋根のうえに　
ひかりがふる

まださむいんだよ
ちらつく雪
ポケットのなかで
手をあたためる

あのシティから
声がきこえる
きょうも歩いてく
静かなとおり

ロマンコーヒーが
かおってる
遠くで　だれかが
わらってる
風がくもを
ゆらしてる
世界がすこし
やわらかくなる

まだねむいんだよ
それでも歩く
夢のつづきを
みつけにいこう

あのシティから
ひろがる青
ぼくの世界は
ひらいていく

まださむいんだよ
雪が　ちらつく
ポケットのなかで
夢をあたためる

あのシティから
ひびくメロディ
きょうは　もうすこし
ゆっくり歩こう

雪がとけてく
あの街並み
きょうも静かに
息をしてる